片付かない仕事から逃げ出し、初台の東京オペラシティコンサートホールにて『セシル・テイラー山下洋輔 デュオ・コンサート』(Cecil Taylor :p, 山下洋輔 :p)を観て、セシルの、ピアノを自分の身体に引き付けて掌握する強靭さと、確信に満ちた音の切れがもたらす音塊の重さや瞬間的な間の無音の重さを味わう。
柔道に例えると、どっしり自然体で前襟を取るセシル、前傾姿勢で奥襟を取りにいく山下、みたいな、両者の演奏に向かう姿勢の違い。
コンサート終了後にホール内で行われていた懇親会へどさくさにまぎれ、ワインやサンドイッチのお相伴にあずかり、しゃがれ声のセシルからサインをもらう。